浮気の証拠を消されても慰謝料を諦める必要はない
浮気を原因として慰謝料請求をするためには、「ふたりの間に肉体関係があったこと」を客観的に証明する必要があります。
決定的な証拠を掴んだのに消されてしまった場合、それに代わる証拠を探さないと慰謝料請求が難しくなる可能性はあります。
消されてしまったものよりは弱い証拠であったとしても、複数をうまく組み合わせることによって肉体関係を証明できた事例もありますので、諦める必要はありません。
消された浮気の証拠データを復元する方法
LINEの場合
LINEのトーク履歴から不貞行為が発覚する事例が多いことは、今や周知の事実。そのため、用心深いタイプの不倫常習者は、こまめにLINEトーク履歴を削除していたりします。
LINEのトーク履歴は、バックアップを取っている場合に限り、復元することが可能。
バックアップの方法自体は簡単です。LINEのアプリを開き、「設定」→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ・復元」の順に選択。「バックアップする」をタップすれば完了です。
他人のスマホを操作するのは難易度の高い行為ですが、有力な証拠の保全に繋がるでしょう。
メールの場合
メールが削除された場合は、「(スマホ内の)ゴミ箱から探してくる」「スマホのバックアップ機能を使って復元する」「Recoveritなどのメール復元ソフトを使う」方法があります。
どうしても自力で復元するのが難しい場合は、次に紹介する業者を頼ることも検討してみましょう。
その他のデータ
データ復旧の専門業者に依頼すれば、上記以外の様々なデータを復元してもらえる可能性があります。
たとえば、「デジタルデータ・フォレンジック(DDF)」は、法的証拠となるデジタルデータの解析・復元サービスを提供しているスペシャリストです。
具体的には、スマホの位置情報、チャット履歴(LINEなど)、発着信履歴、削除された画像・動画・文書などを対象としています。
しかも、ただデータを復元するだけでなく、「データを何日何時何分に削除したか」「どこに移動させたのか」といった事細かな行動履歴までを把握できる可能性もあります。
本気で有力な証拠を収集したい方には、お勧めのサービスです。
浮気の証拠が復元できなかった場合の対象法|代わりに証拠となるものは?
代わりに証拠となる可能性があるもの
上記のデータよりは弱いものの、複数をうまく組み合わせれば証拠になり得るものもあります。
たとえば、SNS。あなたの配偶者とその不貞相手は、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSを利用していないでしょうか?
堂々と「不倫相手とお出かけ中です」と記載する人はほとんどいませんが(ゼロではないですが……)、同じ日時に同じ場所の写真をアップしている可能性は十分にあります。ちょうど今流行中の“芸能人の匂わせ行為”を想像していただくと、わかりやすいかと思います。
不倫中の人は、「バレたら困るけど誰かに言いたい、吐き出したい」という矛盾する気持ちを抱えてムズムズしていることが多いもの。本人は必死に隠しているつもりでも、どこかに綻びが生じている可能性は大いにあります。
有力な証拠を消されても決してすぐには諦めず、根気強く探してみましょう。
第三者の証言を集める
LINEや画像に比べると“客観的な証拠”としては劣るものの、信頼できる第三者の証言も考慮される可能性があります。
配偶者と共通の友人・知人、職場の同僚などに協力してもらえるようであれば、お願いしてみましょう。後で「言った、言わない」で揉めないよう、録音データとして残しておくことが望ましいです。
探偵に浮気調査を依頼する
探偵に依頼すると、配偶者と不倫相手の尾行・張り込みした上で、不倫現場の決定的瞬間を写真に収めてくれることを期待できます。
探偵は男女ペアで尾行することが多いため、尾行・張り込みがバレにくいのが特徴。たとえば、何も知らない不倫カップルがカフェで赤裸々な会話を繰り広げている真後ろの席で、男女ペアの探偵が会話を録音したりします。
手つなぎデートやラブホテルに出入りするところを撮影されたら、もう言い逃れはできないでしょう。
探偵は何と言っても“浮気調査のプロ”ですから、写真撮影ひとつをとっても“法的証拠のポイント”をきちんと押さえながら撮影してくれます。どんな写真・録音データが取れれば有力な証拠になるのかを熟知しているので、非常に頼もしいでしょう。
しかしその分多額の費用が発生する点には、注意が必要です。
弁護士に相談する
探偵と違って直接証拠集めをしてくれる訳ではありませんが、法律の専門家としての立場から、証拠について具体的なアドバイスをしてくれます。
決定的とは言えない証拠であっても、複数をうまく組み合わせることによって論理的矛盾点を巧みに突き、肉体関係があったことを立証してくれる優秀な弁護士もいます。
ひとりで悶々としていては、時間が過ぎていくだけ。不貞行為による慰謝料請求権には、「不貞行為があったこと及び加害者(不倫相手と配偶者)の氏名・住所を知った時から3年間」の消滅時効がありますから、「許せない!」と思ったら早めのアクションに起こすことです。
まずは現時点で手元にある証拠を見せつつ、弁護士に専門的見解を求めてみてはいかがでしょうか?
まとめ
証拠を消されてしまったら、データの復元をするか、別の証拠を収集し直しましょう。前述の通り、慰謝料請求権には「不貞行為があったこと及び加害者の氏名住所を知った時から3年間」の消滅時効があります。
いくら悪質な不貞行為が事実であったとしても、慰謝料請求しないまま3年間が経過してしまうと、それ以降は一切請求できなくなってしまうのです。
ですから、どうしても相手に制裁を加えたい場合は、データ復元業者や探偵事務所、弁護士などのプロを早めに頼っておくことも大切です。