ドラマや芸能人のスキャンダルで「ダブル不倫」という言葉を目にするようになりました。
ダブル不倫は普段の日常で起こるはずがないと考えている方も多いようですが、実際には芸能人ではない一般の方でもダブル不倫の問題に悩んでいる方はいます。
ダブル不倫は一般的な不倫問題よりも少しややこしいため、問題解決に時間が掛かってしまうこともあります。
もしもダブル不倫の問題に悩んでいるのであれば、弁護士へ相談してみましょう。
今回はダブル不倫の慰謝料請求について、弁護士に相談するメリットや弁護士費用の相場、またダブル不倫の問題を解決してくれる弁護士の選び方などをご紹介していきます。
ダブル不倫の定義とは?
そもそもダブル不倫とは、一般的な不倫と何が違っているのでしょう?
ダブル不倫の定義は、不倫している者同士がそれぞれに家庭を持っていることが挙げられます。
例えば、A夫婦の夫とB夫婦の妻が不倫関係に陥った場合、ダブル不倫が成立することになります。
あくまでも法律的な定義ではありませんが、ダブル不倫は家庭を持つ者同士による不倫関係であると認識しておきましょう。
ダブル不倫の問題解決を弁護士に相談する5つのメリット
ダブル不倫は普通の不倫慰謝料請求に比べて非常に複雑で、対応を間違えてしまうとかえって金銭的にも負担が大きくなってしまうことがあります。
ダブル不倫の問題は一人で抱え込まず、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。ダブル不倫の問題について弁護士に相談するメリットをご紹介します。
煩雑な手続きをすべてお任せできる
慰謝料を請求する場合、まずは相手に対して慰謝料請求する旨を書いた書面を作成・送付し、それから電話や書面を通して、場合によっては直接会って交渉し、示談書を作成します。
示談が決裂となれば家庭裁判所で調停に入り、それでも解決しないようなら裁判をすることになります。
このように、不倫の慰謝料請求には様々な手続きや書面作成を必要とするのです。一人で行うことも可能ではありますが、精神的にショックが大きい中で正確に書面を作成するのは困難でしょう。
弁護士は依頼主をトータル的にサポートすることができ、様々な書面作成を正確に行ってもらえます。
最近ではネット上に慰謝料請求書の雛形が掲載されていることもありますが、内容を書く時に間違えてしまってはいけないので、弁護士に相談した方が安心です。
複雑な問題も冷静に対処してくれる
ダブル不倫は普通の不倫よりも話が複雑になりやすいです。
例えば、片方の夫婦は離婚するのに対して、もう片方の夫婦が離婚しなかった場合、離婚しなかった夫婦は共有財産である家計の問題に置き換わるため、離婚する側への慰謝料請求額が増大し、責任のバランスが不釣り合いとなってしまう可能性があります。
法律的にはあくまで不倫を行った本人に責任があり、不倫相手の責任は副次的と考えられているため、責任のバランスが崩れることで問題がより難解になってしまうのです。
複雑化した問題も解決してくれる
他にもダブル不倫によって複雑化してしまう問題はあります。
自分一人、もしくは当事者同士で解決しようにもどうやって解決していいのか分からず、最終的には喧嘩のようになってしまい、冷静な対処が取れなくなる場合もあるでしょう。
弁護士は法律の専門家として、複雑な問題にも冷静に対処し適切な方向を示してくれます。
弁護士への相談で精神的な負担も和らぐでしょう。
離婚の意思をパートナーに示せる
もしもダブル不倫をしたパートナーと離婚しようと考えた場合、おそらくパートナーから「離婚したくない、もう一度やり直したい」と打診されるでしょう。
本当に家庭を壊してしまったことを反省し、もう一度やり直したいと本気で考えている方もいれば、中には慰謝料請求額の負担が大きくなることをおそれて離婚を免れようと考える方もいます。
どちらにせよ、ダブル不倫をしたパートナーをどうしても許せず、離婚の意思を固めている場合は弁護士に相談することをおすすめします。
もしあなたが「離婚する」と強く言ったとしても、相手は諦めずに何度も「やり直したい」と言ってくるかもしれません。
しかし、弁護士に相談・依頼したとなれば本気で離婚を考えているのだと分かり、相手から引いてくれる可能性が高まります。
離婚の本気度を見せるためにも弁護士への相談はおすすめです。
代理人として不倫相手と交渉してもらえる
あなたが一人で不倫相手に慰謝料請求を行った場合、相手は必ずと言っていいほど減額を要求してきます。
そこで相手と交渉しながら問題の解決を目指していくのですが、直接不倫相手に会って交渉するのはあまり良い手段とは言えません。
実際に不倫相手がどんな人なのか直接会って確かめたいという方も多いかと思いますが、直接会って交渉してもメリットはそれくらいで、素直に非があったことを認めるケースはほとんどないためです。
相手がもしも感情的になっていれば、いくら話をしてもまとまりませんし、むしろ逆上して罵声を言い放つこともあります。そうなるとあなたも憤りを感じてしまい、一層話し合いは進まなくなってしまうでしょう。
ダブル不倫の慰謝料問題を早期で解決させるためにも、直接会って交渉すべきではありません。電話での交渉も可能ですが、後から「言った」「言わない」の問題に発展することも考えられます。
弁護士はあなたの代理人として、あなたの気持ちを代弁しつつ希望を最大限通せるように尽力してくれます。
早期解決を目指すなら、まずは弁護士に相談してみると良いでしょう。
ダブル不倫の慰謝料請求は普通の不倫慰謝料請求と異なる?
もしも不倫慰謝料を請求する場合、誰に請求すればいいのか迷ってしまうケースは多く見受けられます。
痛み分けで終わる可能性が高い
その理由は、結果的に痛み分けで終わってしまう可能性が高いためです。上記で挙げたA夫婦とB夫婦のダブル不倫を例に取ってみましょう。
自分は不倫された側、つまりA夫婦の妻もしくはB夫婦の夫という立場にあります。精神的に傷付いたあなたは不倫相手に対して慰謝料請求を行ったとしましょう。
これは、不倫相手のパートナーも同じ考えであなたのパートナーに対し慰謝料請求を行ってきます。
あなたとパートナーが財産を共有している場合、離婚でもしない限りこちらも慰謝料を支払わなくてはならず、慰謝料をもらったとしても結果的に痛み分けのような状態になってしまうのです。
不倫による被害者が2人いること
普通の不倫慰謝料請求と大きく異なる点が、不倫による被害者が2人いることです。
また、被害者が2人になったことでそもそも慰謝料請求が現実的に行えるかどうかという問題にもつながってしまいます。
どういうことかというと一般的に慰謝料請求を行う場合、請求相手は不倫相手と自分の配偶者に対して行うことができるのですが、被害者が2人になると不倫した人には2人分の慰謝料を負担することになります。
すると、慰謝料の支払いが難しいと判断されやすくなり、減額もしくは慰謝料請求の取り下げに至ってしまう可能性があるのです。
こうした理由から、普通の不倫慰謝料請求に比べてダブル不倫は難しいと言えるでしょう。他にも、ダブル不倫は慰謝料請求で不利になってしまうケースが存在します。
被害者なのに?慰謝料請求で不利になってしまうケース
ダブル不倫の慰謝料請求ではある条件で不利になってしまい、かえって慰謝料請求をしない方が良い場合もあります。
どのようなケースで不利になってしまうのでしょうか?
どちらの夫婦も離婚しない場合
よく見られるのがどちらの夫婦も離婚しないケースです。
お互いの夫婦が子どものために離婚を選択しなかった場合、慰謝料を請求しても上記のように結果痛み分けになってしまうため、収支面や手間を考えると行わない方が良いと考えられます。
相手夫婦の方が婚姻期間が長い
あなたがA夫婦の妻で10年の婚姻期間があり、B夫婦は20年の婚姻関係だった場合、基本的には不倫相手のパートナーから高額な慰謝料を請求されてしまう可能性が高いです。
目安ではありますが、10年未満の婚姻期間では慰謝料の最低額が50万円、20年未満だと100万円と倍になります。
あなたのパートナーが不倫に誘った事実が存在する
基本的に不倫を最初に誘った側の方が責任は重くなります。
そのため、あなたのパートナーが不倫に誘った事実が明確に存在する場合、慰謝料の増額につながってしまい、こちらが不利になってしまうでしょう。
不倫される前からあなたとパートナーの夫婦関係が破綻していた
あなたが慰謝料請求する際に、元々夫婦関係が破綻していたか・していないかで不利になるかどうかが大きく左右されます。
もしも不倫前から夫婦関係が破綻しており、相手の夫婦関係は破綻していなかったとなると精神的苦痛の大きさが変わるため、こちらが不利になります。
不貞行為に及んだ期間が半年以内
不倫であることが確定する不貞行為が半年以内で始まっていた場合、まだ短期間の関係であり心のつながりはそれほど大きくないということで、相手に慰謝料請求をしても請求額をグッと落とされてしまう可能性が高いです。
特に夫婦関係も修復し、別居・離婚に至らなかったケースでは慰謝料請求でもらえる金額はあまり期待できないでしょう。
不倫問題の解決にかかる弁護士費用の相場
弁護士への相談は無料でも、契約をすれば費用が発生してきます。
弁護士費用は各事務所によっても異なりますが、着手金と報酬金の2種類を支払うことが多いです。
着手金の相場は20万円から30万円
着手金は正式に依頼する場合に前払いする料金を指します。不倫の慰謝料請求では、20~30万円が着手金の相場と言われています。
報酬金の相場は獲得金額の20%から30%
は問題が解決した後に支払う料金で、着手金同様に具体的な金額が示されている場合もありますが、ほとんどは獲得金額の2~3割程度を報酬金として支払うことが多いです。
例えば、もしあなたがダブル不倫の慰謝料として相手から200万円取れたとします。
獲得金額の1~2割が報酬金となると、20万円~40万円は弁護士に支払う必要があり、あなたの手元に残るのは160~180万円となるでしょう。
ただしダブル不倫では問題が複雑化しやすいため、場合によっては相場よりも高い費用を支払わなくてはいけないかもしれません。
費用面が心配な方は、弁護士事務所のホームページに掲載されている料金体系を確認したり、初回の無料相談の際にどれくらいの費用になりそうか直接尋ねたりしてみましょう。
ダブル不倫の問題を解決してくれる弁護士の選び方
弁護士に相談・依頼する場合、適当に弁護士を選んでしまうと早期解決に至らなかったり、高額な報酬を請求されたりすることもあるので注意が必要です。
ダブル不倫の問題を解決してくれる弁護士を選ぶ際には、どのようなポイントに注目して選んだ方が良いのでしょう?
不倫案件の経験が多い、もしくは特化している
ダブル不倫は一般的な不倫問題とは異なり、複雑な問題に発展しやすい傾向があります。
こなしている不倫案件がたくさんある弁護士は、問題を解決するための手段や適切な交渉の仕方などを心得ている場合も多く、複雑なダブル不倫も解決しやすいです。
なるべく弁護士を選ぶ時は不倫慰謝料の案件を多く取り扱っている、もしくは不倫問題に特化している弁護士を選んだ方が良いでしょう。
離婚に関連する知識にも強い
不倫問題は単に慰謝料請求ができれば良いというものでもありません。
例えば、慰謝料請求からパートナーとの離婚調停に移行する場合、財産分与や年金、子どもがいれば親権や養育費などの問題が生じてきます。
こうした離婚に関連する知識にも強い弁護士を選んでおくと、後々の問題にも継続的に対応してくれて安心です。
不倫問題だけでなく、その先のことも見通しながら弁護士選びをしていきましょう。
自分との相性の良さもチェックする
不倫問題の実績が多く、離婚関連の知識にも強い弁護士がいても、あなたと相性が良くない可能性もあります。
もし、「この人は私の気持ちを理解してくれない」「コミュニケーションが取りづらい」と感じたら、他の弁護士に相談してみましょう。
弁護士はあなたの代理人となって交渉にあたるので、十分なコミュニケーションが取れて相性が良い人の方が問題も解決しやすくなります。
まとめ
今回はダブル不倫の問題解決を弁護士に相談するメリットや費用、弁護士の選び方などについてご紹介してきました。
ダブル不倫の問題は一筋縄でいかないケースが多く、一人で解決しようとすると非常に大変です。例えば慰謝料請求では多くの手続きをこなしながら、不倫相手との交渉も行わなくてはなりません。
あなたの気持ちを理解してくれる弁護士に相談し代理人にすることで、あなたにかかっていた負担や精神的なストレスは解放されるでしょう。
ダブル不倫の問題に悩んだら、まずは弁護士に相談してみてください。