弁護士に相談したいけど費用が気になる。一体いくらかかるのか不安という方も多いと思います。日本弁護士連合会が2008年11月に実施した「市民のための弁護士報酬の目安」というアンケートなどを参考に、弁護士費用の相場をご紹介します。
基本的な弁護士費用の相場と内訳
費用項目 | 相場 | 支払いタイミング |
相談料 | 1時間5,000円〜1万円 | 弁護士への相談時 |
着手金 | 10万円〜30万円の間 | 弁護士への依頼時 |
報酬金(成功報酬) | 20万円〜50万円の間 又は
獲得金額の20%前後 |
事件終了時 |
月額顧問料 | 2万円〜5万円前後 | 月額発生 |
タイムチャージ(時間制) | 1時間1万円前後 | 契約内容によって変動 |
実費 | 裁判所関係が多い | 事件終了時 |
日当 | 1万円〜3万円前後 | 事件終了時 |
相談料
相場としては、1時間1万円程ですが、相談内容によっては相談料を無料としている法律事務所も多いようです。
着手金
着手金とは、事件着手時に発生する費用のことで、結果にかかわらず、返金されないものです。依頼する事件によっては、着手金が無料の法律事務所もあります。
報酬金(成功報酬)
報酬金とは、事件の解決時に発生する費用のことをいいます。仕事の結果について、例えば「回収金額の何%」というような形でかかることになります。
日当
日当とは、弁護士が遠方へ出張した際に生じる費用のこと。例えば東京都在住の方が北海道の弁護士に依頼した場合、北海道から東京に来る際の費用を負担することになります。そのため、弁護士に相談するのはできるだけ近郊の弁護士を選ぶのがポイントのひとつです。
実費
書面の作成や事件調査といった、仕事に関して生じる費用。弁護士が活動するにあたり発生した交通費や、裁判所に訴訟の申し立てをした際の手数料なども含まれる。
民事事件と刑事事件別|弁護士費用の相場と内訳
一般民事事件における弁護士費用の相場
- 法律相談費用:1時間5,000円〜1万円
- 契約書作成費用:5万円〜10万円
債権回収費用
- 内容証明代行:3万円前後
- 訴訟時着手金:15万円〜20万円
- 訴訟時報酬金:30万円前後
売掛金の回収訴訟【対企業の場合】
- 着手金:50万円〜100万円前後
- 報酬金:100万円〜200万円前後
連帯保証債務【勝手に連帯保証人になれたなど】
- 着手金【交渉のみ】:10万円〜20万円
- 報酬金【交渉のみ】:20万円〜30万円
- 着手金【訴訟時】:20万円〜30万円
- 報酬金【訴訟時】:30万円〜70万円
消費者被害|詐欺被害等
- クーリングオフ通知書作成:1万円〜3万円前後
- 消費者契約法に基づく請求
- 着手金:10万円〜20万円前後
- 報酬金:10万円〜30万円
交通事故の場合
- 着手金:25万円〜30万円前後
- 報酬金:40万円〜70万円前後
不動産関係
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:40万円〜60万円前後
離婚調停
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:20万円〜30万円前後
不貞慰謝料請求
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:20万円〜30万円前後
遺産相続
遺言書作成と遺言執行
- 着手金:10万円〜20万円前後
- 報酬金:40万円前後
遺産分割調停
- 着手金:30万円〜50万円前後
- 報酬金:100万円を中心に増減
成年後見・財産管理
- 着手金:10万円〜20万円前後
- 報酬金:事案により裁判所が決定
債務整理・倒産
過払い金請求
- 着手金:10万円〜20万円前後
- 報酬金:20万円〜40万円前後
任意整理
- 着手金:10万円〜20万円前後
- 報酬金:10万円〜20万円前後
個人再生
- 着手金:30万円前後
- 報酬金:10万円〜20万円前後
自己破産
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:10万円〜20万円前後
民事再生【対企業】
- 着手金:100万円〜200万円前後
- 報酬金:200万円〜300万円前後
労働問題
- 着手金:20万円前後
- 報酬金:30万円を中心に増減
顧問契約【対企業】
- 月額顧問料:2万円〜5万円
- 時間制(タイムチャージ):1時間1万円
刑事事件における弁護士費用の相場
過失・傷害事件
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:20万円〜30万円前後
少年事件の付添人
- 着手金:20万円〜30万円前後
- 報酬金:20万円を基本に増減
医療事故における弁護士費用の相場
- 証拠保全(患者側):20万円前後
- 着手金【訴訟時】:50万円〜60万円
- 報酬金【訴訟時】:100万円前後
【参考】日本弁護士会|市民のための弁護士報酬の目安 [2008年度 アンケート結果版]
弁護士費用をできるだけ抑える4つのコツ
弁護士に依頼する際、やっぱり気になるのは費用の問題です。最後に、弁護士費用を安く抑える方法をご紹します。
弁護士費用立替え制度を利用する
無料の法律相談を受けた結果、弁護士・司法書士報酬等の援助(代理援助・書類作成援助)の要件を満たす場合には、費用立替制度を利用することができます。
援助開始決定後、弁護士又は司法書士の選任手続きを行い、法テラスと案件を担当する弁護士又は司法書士と本人の三者間で所定の契約書を締結します。これにより、契約書記載の費用や着手金は、法テラスが弁護士又は司法書士に立て替え払いします。
出展:弁護士・司法書士の費用を立て替えてもらいたい
弁護士保険を利用する
最近登場した、「個人で入れる弁護士費用保険」と呼ばれるものです。法律相談料と、弁護士に依頼した際の弁護士費用300万円、相談費用10万円まで負担してくれるというものです。
料金形態をしっかり確認しておく
弁護士の費用形態は実は複雑で、「着手金0円」と書かれていても、日当や交通費、その他料金が後から請求される可能性もあります。依頼を検討している弁護士には、電話相談の段階で料金形態まで詳しく確認しておいきましょう。大体の相場としては、50万円〜100万円に、成功報酬として数%が加算されます。
- 着手金|10万円〜20万円
- 報奨金|獲得利益の10%程度
- その他雑費|5万円程度
証拠を集めておく
証拠が多ければ事件の早期解決が計れますし、より望む結果に近付けます。離婚問題なら慰謝料の増額、交通事故なら後遺障害の適正な認定など、金銭面にも有効なものがくなります。弁護士が証拠集めに動く時間を短縮できる事が、実は一番費用を安く抑えるコツであると、覚えておきましょう。
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