ワンクリック詐欺被害を弁護士に相談すべきかの判断基準

ワンクリック詐欺はネット詐欺の一種で、アダルトサイトや出会い系サイトの登録利用料、退会料などの名目で指定口座に支払わせる手口です。実際の詐欺被害に至るまでが特徴的な犯罪手口なのですが、もしも請求を受けたとき、私たちはどうすればよいのでしょうか?

また犯罪被害というと、法のスペシャリストである弁護士に依頼することが想定されますが、依頼するときとはどのようなときでしょうか?

この記事では、ワンクリック詐欺でPC やスマホに請求画面が現れた場合にできることと、弁護士に依頼した場合の費用、そして被害者の救済を規定した『振り込め詐欺救済法』とは何かについてご紹介します。

 

ワンクリック詐欺の問題を弁護士に依頼する際の前知識

ワンクリック詐欺は、アダルトサイトや迷惑メール内のURLにアクセスしたときに下のような画面が現れて何らかの契約をしたことにされ、高額な請求をしてくるネット詐欺の一種です。

請求画面が現れても無視してよい

ワンクリック詐欺の最も効果的な対処法は、『無視をすること』です。請求画面が現れただけの段階であれば、絶対に相手に連絡をしないようにしましょう。

連絡したからといって電話番号やメールアドレスであなたを特定することはできませんが、個人情報を他の業者に売られる可能性もあります。

彼らは『会員登録料』だとか『解約料』という名目で請求してきますが、事前に有料であるということや会員登録をするという表示がない場合は、いくら相手が主張をしても、そもそも会員登録自体が成立しておらず、応じる必要はありません。

また表示されていても、それがわかりづらいようになっている場合は、錯誤無効の主張が認められる可能性が高いので安心してください。

請求画面が何度も出てくる場合はワンクリックウェアに感染しているかも

場合によっては、ワンクリックウェアというマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染することによって、何度消しても出現するタイプの請求画面に苦しむことになります。

ワンクリックウェアはアドウェアと認識され、ウイルスバスターやノートンセキュリティなどのウイルス対策ソフトでも必ず検出・除去できるわけではありません。これらで検出されない場合には、プログラム一覧からアドウェアをアンインストールするか、システムの復旧などを行うことが必要になります。

以下のIPAの2.復旧方法もごらんください。

参考:IPA

 

支払督促制度や少額訴訟制度を利用した架空請求の無視はNG

裁判所に申立てをすることで相手に支払い命令を出す『支払督促制度』と『少額訴訟制度』というものがあり、これを悪用してありもしない請求(架空請求)をしてくる手口が存在します。

そんなことがあるのかと驚く方もいるかもしれませんが、申立ての内容に真偽は関係なく、書式に問題がなければ、請求は通ってしまうのがこれらの制度なのです。

申立ての内容が真実か嘘かは被告の主張を聞いてから判断することになるので、面倒ですが支払督促なら『督促異議申立書』、少額訴訟なら『答弁書』を提出する必要があります。

裁判となると不安に思うかもしれませんが、相手は請求権の立証責任や口頭弁論をしなければなりません。そのため裁判に移行した段階で彼らは手を引く可能性が高いのです。

 

ワンクリック詐欺で弁護士への依頼は必要なのか

このようなワンクリック詐欺ですが、支払いをしてしまったり、裁判所からの書類が届いてしまったりしない限り、弁護士に依頼する必要性というのは薄いでしょう。

振り込んでしまったら弁護士へ相談・依頼

もしも督促異議の申立てや答弁書の書き方で迷ったら相談しましょう。前述のように、基本的にワンクリック詐欺は請求画面が出ているだけですから放置すればよいです。

また、実際に口座にお金を振り込んでしまった場合は、口座番号から相手を特定し、損害賠償請求ができる可能性もあります

法テラスに相談することもできる

法テラスとは、経済的余裕がないために弁護士費用が支払えない方に対して、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えをしてくれる機関です。ワンクリック詐欺をはじめ、法律関係のトラブルの相談は法テラス(日本司法支援センター)で相談するのがよいでしょう。

相談は電話、メール、窓口に直接行くことでも受け付けているので、困ったときは法テラスと覚えておきましょう。

法テラス(日本司法支援センター)

東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー8F

URL:http://www.houterasu.or.jp/index.html

弁護士に依頼したときの費用

弁護士に相談や依頼をするときは、着手金や報酬金、手数料などの名目で弁護士費用がかかることになります。

相談料は30分5,000円ほどで、初回のみ無料としている事務所もあります。

裁判を経て損害賠償請求をするのであれば着手金(10万~30万円ほど)や報酬金(経済利益(得た金額)の10%~16%ほど)によって支払う可能性がありますが、裁判なしで解決できるのであれば、数万円程度の負担で済む場合もあります。

ワンクリック詐欺やネットトラブルの解決が得意な弁護士の選び方

インターネットトラブルでは、掲示板やSNSでの誹謗中傷・プライバシー権の侵害、ネット詐欺、ネットストーカー、著作権侵害などというものがあり、それらに対して弁護士は必要に応じて侵害情報を削除したり、相手を特定し民事上で損害賠償請求したり、刑事告訴してくれます。

とはいえ弁護士なら誰でもよいというわけではなく、ネットトラブルならインターネットに関する知識が豊富な人を選ぶべきです。

注目するポイントとしては

  • インターネットに関連する法律に詳しい
  • ネットワークの仕組みについて詳しい
  • 実際にインターネットトラブルの解決実績がある
  • SNSや掲示板の炎上リスクを避けて削除する方法に詳しい

などが挙げられます。

 

もし支払ってしまった場合は救済措置がある

ワンクリック詐欺に騙され、お金を振り込んでしまった場合も諦めるのは早いです。『振り込め詐欺救済法』というものがあり、誤って支払ってしまったお金が戻ってくる可能性があります。

振り込め詐欺救済法とは

振り込め詐欺救済法は、振り込め詐欺などの犯罪に巻き込まれ、指定された金融機関の口座にお金を振り込んでしまった人を対象とした救済手続きなどについて規定した法律です。

具体的な救済策としては、犯罪に利用された疑惑のある口座を凍結し、振込先の口座に滞留しているお金(犯罪被害金)を振り込んだ当人である被害者に返金します。

振り込め詐欺救済法の対象となる犯罪行為

法律の名前こそ『振り込め詐欺』ですが、他者の金銭を奪い取るために金融機関の口座への振込を利用した形式の犯罪が対象です。

振り込め詐欺と呼ばれるものは、いわゆる『オレオレ詐欺』のほか、『架空請求詐欺』、『還付金等詐欺』、『融資保証金詐欺』です。

振り込め詐欺救済法の対象は振込によって被害を受けている場合ですので、ヤミ金融、未公開株詐欺なども対象です。

そのため、口座への振込を利用した犯罪に巻き込まれてしまった場合は、振り込め詐欺救済法による手続きが使えるか確認しましょう。

早急に警察・振込先金融機関に連絡を入れる

すでに引き出されてしまった金額については振り込め詐欺救済法では返ってこないので、詐欺であると気づいたのであればなるべく早い段階で警察や振込先の金融機関に連絡をして取引の停止をするよう求めましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まず第一に、ワンクリック詐欺は無視しましょう。相手や相手が紹介している連絡先に連絡してはいけません。もしも裁判所から書類が届いたり、不安になったりしたときは弁護士などに相談しましょう。

出典元一覧

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