不倫慰謝料が請求できない5つのケースと弁護士なら証拠なしでも請求できる理由

不倫慰謝料_請求できない

不倫されて、慰謝料を請求したい場合でも、慰謝料が請求できるケースとできないケースが存在します。

証拠がなくても、相手があっさりと不倫の事実を認め、慰謝料の支払いに応じるケースもあるでしょう。

しかし実際には、不利な状況に立たされることを恐れて、不倫を否定する人がほとんど。否定する相手を追い詰めるためには、動かぬ証拠が必要となります。

そこで今回は、慰謝料を請求できる場合とできない場合についてご説明します。

 

目次

不倫慰謝料が請求できない5つのケース

1:証拠がない場合

あなたの配偶者が不倫していたことが仮に事実であったとしても、証拠がないと慰謝料請求が難しくなる可能性があります。

証拠がなくても、相手があっさりと不倫の事実を認め、慰謝料の支払いに応じるケースもあるでしょう。

しかし実際には、不利な状況に立たされることを恐れて、不倫を否定する人がほとんど

否定する相手を追い詰めるためには、動かぬ証拠が必要となります。証拠を見せても相手が白を切る場合には、最終手段として裁判を起こすことも考えられます。その場合は裁判官に不倫の証拠を見せて、「確かに不倫の事実があった」と納得させなければなりません。

したがって、直接交渉でも裁判手続きでも、証拠がないと慰謝料請求が非常に難しくなると考えられます。

2:時効が経過した場合

配偶者以外の人と肉体関係を結ぶ”という意味での不倫(不貞行為)は、民法上“不法行為”に分類されます。

不法行為とは、「他人の権利・利益を違法に侵害する行為」のこと。つまり、あなたの“平和な結婚生活を送る権利・利益”が、不倫によって違法に侵害されたということになります。

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法第709条

不法行為の被害を受けると損害賠償金(慰謝料)を請求することができますが、この権利はいつまでも消えない訳ではありません。

加害者を知った時から3年・不法行為があったときから20年

民法第724条には、

  • 「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき」
  • 「不法行為の時から二十年を経過したとき」

慰謝料請求の権利が消滅すると規定されています。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
引用元:民法第724条

つまり、不倫の事実をあなたが知った時から3年間、不倫があった時から20年間経過すると慰謝料請求ができなくなるということです。

しかし内容証明郵便によって慰謝料請求をすると、消滅時効の進行が6ヶ月間だけ一時的にストップします。そして、その後6ヶ月以内に裁判を起こすことによって、消滅時効は完全にリセットされることになります。

ですから不倫の事実に気づいたら、なるべく早めにアクションを起こすことが大切です。

3:夫婦関係が不倫発覚前に破綻していた場合

前述の通り、不法行為とは「何らかの権利・利益に対する違法な侵害」ですから、不倫の場合は「平和な婚姻生活を送る」という権利・利益が侵害されたことが要件となります。

もし不倫発覚前から夫婦関係が破たんしていたとしたら、慰謝料請求は難しいかもしれません。

ちなみに“夫婦関係の破たん”とは、

  • 「離婚に向けて具体的な話し合いをしていた」
  • 「3年以上別居していた」

などの状況を言います。

単にケンカが多かった、家庭内別居状態などのケースは、“夫婦関係の破たん”とまでは言えない可能性があります(家庭内別居については証拠次第で判断が分かれます)。

4:金銭以外の補填があった場合

慰謝料代わりに不動産を渡すなど“金銭以外の補填”があり、それによって精神的苦痛による損害が賠償されていると判断される場合には、重ねて慰謝料も請求することは難しくなるでしょう。

5:不倫相手に請求する場合|故意・過失がない場合

不法行為が成立するための要件としては、故意(わざと)・過失(不注意)が挙げられます。何の落ち度もない人が悪気なく行った行為についてまで責任を追及するのは、酷だからです。

つまり、あなたの配偶者が既婚者であることを、不倫相手が「知っていた(故意)」、または「常識的な判断能力があれば当然気づいたはずなのに、ウッカリしていた(過失)」のでなければなりません。

もし不倫相手が騙されていたり、強制性交等罪の被害者であったりした場合には、不倫相手に慰謝料を請求できないと考えられます。

 

不倫相手が自己破産すると慰謝料の請求は出来ない?

自己破産とは、簡単に言えば「多重債務から解放されて人生を再スタートさせるための制度」です。

一生懸命仕事を頑張っていても、何らかの事情により多額の借金を背負ってしまうことだってあるでしょう。そういった人にもやり直す権利は認められるべきである、というのが自己破産の制度です。

しかし債務が発生した理由が悪質なケースや、道義的・社会的意義の大きい債務は“非免責債権”として、その責任を免れることができないとしています(破産法253条1項)

(免責許可の決定の効力等)
第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
引用元:破産法第253条

たとえば、

  1. 「租税等の請求権」
  2. 「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」
  3. 「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」
  4. 「民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務」

などです。

ここで気になるのが、不貞行為による慰謝料請求権利も上記に含まれるのかということです。

過去の判例によると、残念ながら認められない可能性が高いでしょう。上記の場合の「悪意で加えた不法行為」とは、「被害者を積極的に傷つけてやろう」という意思をもって行った不法行為のことを意味しています。たとえば、人を殴る、わざと車で跳ねるなどの行為がこれに該当します。

不貞行為の例では、「悪意で加えた不法行為」として認められるのは非常に難しいと考えられます。

 

不倫の証拠がなくて慰謝料請求が出来ない場合に弁護士を頼るべき理由

1:弁護士が出てくるだけで請求に応じる可能性がある

あなたからの請求を無視していた不倫相手や配偶者も、弁護士が介入した途端に態度を変える可能性があります。

弁護士という国家資格が相手に与える心理的プレッシャーは、非常に大きいものです。「弁護士を無視したら大変なことになるかもしれない」という恐怖心から、スムーズに交渉に応じてくれるようになるかもしれません。

2:証拠がなくても交渉による慰謝料請求の可能性を探してくれる

有力な証拠を集められないからと言って、必ずしも諦める必要はありません。

複数の証拠を組み合わせるなどの方法により、相手に不倫の事実を認めさせるテクニックを持っている弁護士もいます。

一つひとつの証拠としては弱そうに見えても、弁護士の工夫次第でうまく慰謝料を回収できるケースも少なくありません。

3:証拠獲得のために動いてくれる(探偵と協力など)

“どんな証拠を集めれば良いのか”という具体的なアドバイスをくれるのはもちろん、信頼できる探偵事務所を紹介しれくれることもあります。

弁護士事務所によっては業務提携を結んでいることもありますので、自力で探偵事務所を探すのが不安な方は、ぜひ弁護士に確認してみましょう。

4:慰謝料増額の交渉も任せられる

慰謝料金額にはケース別の相場があり、増額交渉をする場合には相場から大きく外れることがないよう、慎重な対応が求められます。

慰謝料には制裁的な意味合いもありますから、なるべく多く回収したいと思うのは被害者として当然の心理でしょう。しかし、確実に慰謝料を支払ってもらうためには、ただやみくもに感情に任せて行動してはいけません

相場より高すぎる慰謝料を突き付けても相手は簡単には応じないでしょうし、裁判に移行しても裁判官が認めてくれない可能性があります。裁判手続きには多額のお金と時間がかかりますから、なるべく裁判外の交渉の時点で相手が支払いに納得してくれる金額にするのが望ましいと言えます。

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5:少ない慰謝料で納得することがない

高すぎる慰謝料を請求すると自分で自分の首を絞めることになりかねませんが、反対に少なすぎる慰謝料で妥協する必要もありません。

さじ加減が難しい慰謝料金額の交渉は、“法律手続きと交渉のプロ”である弁護士に一任されることをお勧めします。

 

まとめ

不倫の慰謝料を請求するためには、上記の条件を満たしている必要があります。

もしご自分の状況を当てはめてみて請求が難しそうだと感じても、すぐに諦めてはいけません。

弁護士に相談すれば、厳しい状況下であっても何らかの解決策を提示してくれる可能性があります。ぜひ気軽に相談してみましょう。

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